河童と死神

Kappa & the Death
贈呈式でいただいた記念の盾と『やさしい死神』

 このHPは主に仕事に関する記事を書くことにしているのだけど、今回は別のご報告から。俳句の話です。夏井いつき”組長”のネット俳句教室「おウチde俳句くらぶ」の会員に登録したのが昨年の2月、それから月1回の投句をして俳句を学んできました。このサイトを母体として募集する年一回の俳句のコンペが「おウチで俳句大賞」です。6月1日、その第六回の贈呈式が行われ、ありがたくも寝室部門の優秀賞をいただきました。

河童忌や目さえ閉じれば明日になる

 「目さえ閉じれば明日になる」の解釈はいろいろあると思います。説明することで受け止め方が限定されないほうがいいと思うし、自作品にあれこれ解説を加えるのは野暮というものですが、贈呈式でも説明する機会があり、また、俳句と縁が無い方々には「河童忌」what?というそもそもの疑問もあるでしょうから、少し説明を。
 「河童忌」とは芥川龍之介が亡くなった日のこと(7月24日)、これが季語になっています。作品『河童』から名付けられました。他にも作家の命日にちなんだ○○忌はたくさんあります。
 死因は睡眠薬を多量に接種したあげくの服毒自殺で、彼をそうさせたのが「ぼんやりした不安」だとか……それを知ったときに「ああ、そういう感じは思い当たる!」と思ったのです。その「ぼんやり」を突き止めようとして自分を追いつめたり、余計に不安になったり……そんなこんなのあがきを絵本にしたのが『やさしい死神』でした。(ここで仕事とつながる!) この絵本一冊分をうんと凝縮して十七文字にしたのがこの俳句なんだな、とあとで自分で気づいた次第。

私にとってはその「ぼんやりした不安」にたびたび襲われるうちに気づいたこと- - -過去を悔やんだり未来を恐れたり明日に希望をもったりせずに「ただやりすごす」- - - というひとつの対処法を、そのまま提示した一句なのでした。